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夜景×Z 6|本間昭文

本間昭文

1974年生まれ秋田県在住。幼少のころから自然の中で育った事もあり大人になって改めて自然の雄大さや美しさに気づき主に北東北を中心に四季折々の自然風景を独自の目線で撮影している。星が降る夜の幻想的な撮影も得意としている。

北東北の四季折々の風景を中心に撮影している本間昭文さん。中でも星空を主役にした夜の風景写真を数多く撮影しており、今回はZ 6を使い星系写真にトライした。オールラウンドモデルであるZ 6の高感度+長秒撮影の感想を中心に使用感を伺った。

夜景×Z 6|本間昭文

写真をはじめてすぐに風景写真を撮ることに目覚めたのですが、冬の北東北など、厳しい環境での風景写真や星景写真の撮影でも間違いなく動く耐久性、堅牢性、防塵・防滴性などを考慮して、ずっとニコンのカメラを使い続けています。現在はD850とD4Sの2台体制。レンズを含めるとかなりの重量になりますが、これまでは疑問を持たずに北アルプスなどに持ち込んでいました。しかしZ 6は片手で持てるうえに堅牢性も十分確保されていて、描写も繊細だと感じました。となると、軽いに越したことはないというのが第一印象です。夜の撮影で高感度を使うことを考えれば、バランスに優れたZ 6は階調表現やノイズの少なさなどで十分に満足のいく描写をしてくれました。

ミラーレスはこれまでスナップ程度の用途でしか使ったことがありませんでしたが、星の撮影にはライブビュー撮影が基本のミラーレスはとても向きます。特にピーキングを使ったフォーカシングがとても便利で、星にピントが合うと赤く表示されるのでわかりやすく※、撮影時間の短縮に繋がりましたね。
※:表示色は、赤、黄、青、白から選択可能。

夜景×Z 6|本間昭文
Z 6 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
シャッタースピード 15秒 絞り値 f/4 焦点距離 24mm ISO 1600

2月末頃の鳥海山の麓です。普段は木の根元まで見えるのですが、おそらく4mくらいの積雪で太い幹が隠れています。まだまだこのくらい雪が残っているということを伝えたくて撮りました。F4の開放撮影ですが幹の部分もシャープに描写されており、高画素機にも遜色ないと感じました。感度はISO1600。風が強かったため、これ以上シャッタースピードを長くするとブレが出ると思ったので、バランスを見て露出設定しています。長秒ノイズの除去はカメラ側の設定で行うのではなく、PCでの現像で行います。それは自分自身で追い込みたいのもありますが、撮影時の時間短縮が最大の理由。1枚暗い露出設定で撮っておけば、ダークノイズ減算処理でノイズを除去できます。また、夏の季節ように気温が高くなる時などはノイズが酷くなるときがあるので、カメラにはなるべく負担をかけたくありません。

夜景×Z 6|本間昭文
Z 6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
シャッタースピード 15秒 絞り値 f/1.8 焦点距離 35mm ISO 1250

冬の星座であるオリオン座を主役にしました。街明かりも入れることで幻想的にしています。かなり空が霞んでいて、これを活かせばソフトフィルターを使っているかのように星の周囲が滲むかなと思い撮影しました。NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sは素晴らしい描写力のレンズですね。まさに思い通りの滲みを表現してくれました。一眼レフ用の35mm単焦点レンズと比較すると小型・軽量で使いやすいと思います。人口の光の上に美しく浮かぶオリオン座という対比が気に入っています。

夜景×Z 6|本間昭文
Z 6 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
シャッタースピード 20秒 絞り値 f/2.5 焦点距離 35mm ISO 1250

鳥海山を臨む平原に吊るし雲が出現しました。気温がかなり下がったためにロッジの上に光柱も出ています。光柱は下の光が上の空気に乱反射して起こる現象です。よく見ると山の右側にも光柱があるんです。吊るし雲の形状もインパクトがありますし、気象条件としてはかなり珍しいと思います。冬の鳥海山付近はなかなか晴れないため、星空を撮るのさえ難しいくらいですから。鳥海山と雲のバランスを見ながら構図や露出を決めていきました。現像はほとんどしておらず、色温度と色かぶりの微調整程度です。

夜景×Z 6|本間昭文
Z 6 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
シャッタースピード 25秒 絞り値 f/4 焦点距離 24mm ISO 2500

よく訪れる秋田県の展望台からの風景です。ここは光が届かないので、シャッタースピードは25秒に設定しました。天の川が上ってくる朝方ですね。天の川は夏のものと思われがちですが、2〜3月も明け方であれば見ることができます。この日はとても寒く、地上から靄が上がってきていたため、うまく撮れるか心配でしたがどうにか捉えることができました。ここは湾になっており街並みもキレイ。靄からクリアな上空へのグラデーションも美しいです。このような夜景ではRAW現像が基本ですが、ピクチャーコントロールは「風景」に設定してあり、日中の撮影ではそのままJPEGを使うことも多かったですね。日中は太陽の黄色みや空の色を気にしますが、Z 6の「風景」はイメージ通りの発色と階調をしてくれるという印象です。ちなみに、日中撮影の場合は絞り込んで撮ることが多く、「回折補正」は常にオンにしていました。背面液晶モニターではわかりませんが、PCのモニターでは明らかに効果が実感できましたね。

夜景×Z 6|本間昭文
Z 6 + マウントアダプター FTZ + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
シャッタースピード 15秒 絞り値 f/2.5 焦点距離 20mm ISO 1600

岩手県の浄土ヶ浜です。そばに駐車場がありアクセスしやすい場所ということもあり、この日も多くの撮影者がいたので、サッと撮る必要がありました。そんなときにピーキングでのマニュアルフォーカスは本当に便利でした。昇ってくる天の川が主役。マウントアダプターFTZを使い、AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G EDで撮影しています。ニッコールレンズはたくさん持っているためマウントアダプターFTZと共に使いましたが、Zマウントレンズと遜色ない使用感でした。

夜景×Z 6|本間昭文
Z 6 + マウントアダプター FTZ + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
シャッタースピード 20秒 絞り値 f/2.2 焦点距離 20mm ISO 1250

続いてもポイントは冬の天の川。岩の上にアーチが架かるように天の川が出ており、この位置で天の川を撮ることができるのはこの季節の醍醐味です。かなりの暗さなので、シャッタースピードを20秒にしています。雲も流れていますし、流れ星もクッキリと捉えています。東北では流れ星はかなりの頻度で見ることができます。もっと大きい場合、地上が明るくなることもありますね。

Z 6 + マウントアダプター FTZ + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED シャッタースピード 20秒 絞り値 f/2.2 焦点距離 20mm ISO 1000 ※7枚の作品をパノラマ合成
Z 6 + マウントアダプター FTZ + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
シャッタースピード 20秒 絞り値 f/2.2 焦点距離 20mm ISO 1000 ※7枚の作品をパノラマ合成
※この作品は画像クリックで作品を拡大表示できます

これは縦構図で7枚撮影したものをPCで合成しています。夏の天の川は縦に出ますが、冬の天の川はアーチ状に出ます。全体を写すにはパノラマが最適で、僕はときどきこの手法を使いますね。三脚にカメラを固定し、水平は一定のまま垂直方向に動かして撮ったものをPCで合成しています。合成自体は自動的に補正もしてくれるので難しい作業ではありません。岩が中央に来るように気をつけました。

夜景×Z 6|本間昭文
Z 6 + マウントアダプター FTZ + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED
シャッタースピード 20秒 絞り値 f/2.2 焦点距離 20mm ISO 1000

この1枚は星ではなく岩の質感を主役にしたいと思い、ピント位置も岩に合わせています。この場所も肉眼では何も見えないくらいの暗さですが、岩肌のディテールが緻密に出て、素晴らしい再現性だと思います。潮の流れが速く、荒々しさも表現できています。

夜景×Z 6|本間昭文

Z 6は触感からしてタフさが伝わってきます。フィールドで撮影する人にとって、カメラに対する安心感はとても重要な要素だと思います。バッテリーの減りの速さを心配して予備のものを胸ポケットに常に入れるようにしていましたが、結局雪の中での数時間に及ぶ撮影でも減りを感じず、取り越し苦労でした。EVFでの撮影も快適で、覗くとメニューが表示され、覗いた状態で設定を変更できるのもありがたかったです。デザインもカッコ良く、あらゆる点が「次世代」という感じ。こうやってカメラは進化していくのだなと感じましたね。身体への負担も少ないサイズ感でありながら、ここまでの描写力と信頼感が得られるのであれば、本格的にZ 6の導入を検討しようと思います。広角ズームと望遠ズームが発売され次第、間違いなく主力機に据えるでしょうね。

本間さんが使用したZシリーズ

Z 6
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有効画素数2450万画素・裏面照射型ニコンFXフォーマットCMOSセンサー、最新の画像処理エンジンEXPEED 6を搭載したオールラウンドモデル。長時間の徒歩移動で撮影者の負担を軽減する小型・軽量ボディと過酷な気象条件をものともしない高い堅牢性を兼ね備える。また優れた高感度性能とノイズ抑制能力を誇り、高感度長秒撮影が必要不可欠な星系写真においてもシャープで階調豊かな描写を実現する。

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