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ポートレート×Z 6|下園啓祐

下園啓祐

アパレル業界で働く中、既製品ではない"ものづくり"に惹かれる。自身も作り手になりたいと模索を続ける中、写真の世界に出会う。温かく自然な雰囲気でありながらもどこか洗練された唯一無二の魅力を持つ結婚写真が評判を呼び、近年は海外での撮影や広告写真などにも活躍の幅を広げている。WPPIなど国際的な受賞歴多数。2018年には、日本人初“SWPP Photographer of The Year"に選ばれる。

画質、高感度性能、AF性能などあらゆる面に優れたオールラウンドモデルである「Z 6」。国内有数のウェディングフォト会社に所属し、多くの写真賞受賞歴を持つプロフォトグラファーの下園啓祐さんがZ 6を使いポートレートを撮影。一生の記念に残る写真を撮ることに日々向き合う厳しい目から見たZ 6の使用感を伺った。

ポートレート×Z 6|下園啓祐

挙式の撮影ではレスポンスや設定の変更を含めて「速写性」を重要視します。ですから、使い慣れている一眼レフを現状は使用していますが、前撮りなど挙式以外の撮影ではミラーレスを使うこともあり、決して一眼レフに固執しているわけではありません。逆にミラーレスならではのメリットは多いと感じていて、その最たるものがミラーレス構造だからこそのピント精度の高さですね。Z 6でも素晴らしいピント面のシャープさとAF速度・精度を実感しました。実を言うと、ニコンのカメラはこのZ 6が初めてでしたが、メインで使った「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」をはじめウワサ通りにレンズは高性能で、レンズを含めて「色」という点でも驚くほど僕が目指す方向性としっくりきました。そしてZ 6は本当に手ブレ補正が強力。スローシャッターに設定してもブレにくいため露出の選択の幅が広がります。後ほど触れますが、今回は絞り込んででも意識的にスローシャッターを選択したシーンが多いです。

今回はウェディングフォトグラファーであるというバックグラウンドを活かしつつ、自由にポートレートを撮ろうと考えました。仕事ではリアリティーのある写真かどうかを大切にしていて、違和感のあるポーズやシチュエーションの写真は好きではありません。親が子どもを撮る写真って、見返した時に何か感じるところがあるじゃないですか。そんなフォトグラファーの影が見えない、その時のリアルを切り取った写真はかけがえのないものですよね。日常的にそんなテーマと向き合っているので、個人的に撮るときくらいは少し自分というものを出していいのかなと思い、デザインされているような、一般的にアーティスティックと言われるようなテイストをそこに加味してみました。

ポートレート×Z 6|下園啓祐
Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
シャッタースピード 1/400秒 絞り値 f/7.1 焦点距離 50mm ISO 50

自然光が射し込むハウススタジオで、モデルに白いドレスを着てもらいました。リップは鮮やかにし、黒と白の世界、光と影の世界の中で唇が際立つようなイメージ。実はこの衣装はウェディングドレスなんです。固定概念に囚われないウェディングフォト、というようなテーマをうっすらと思い浮かべていました。ただ、実際に撮るとなると現場の勢いに任せるタイプで、この1枚もベタな話しですが、良い感じに光が射し込んでいて、それを活かしたいなと。普段もできるだけ地灯りを使います。シャドウ部情報も豊富ですが、後からのレタッチは最小限に留めている点もこだわりで、つまり黒潰れすることなく、ここまでZ 6は捉えてくれていました。僕はウェディングフォト会社に入社後、リバーサルフィルムを使い続けてきた方に本格的に写真を教わったので、「撮った時に完成させること」を心掛けるように叩き込まれたんです。会社全体がJPEGでの撮影が基本となっていて、レタッチは最小限で済ますことが染み付いています。もちろん今回はRAWで撮っていますが、激しくレタッチした記憶のある写真はありませんね。

ポートレート×Z 6|下園啓祐
Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
シャッタースピード 1/2000秒 絞り値 f/1.8 焦点距離 50mm ISO 50

続いても光と影。写る部分と隠れる部分のバランスにこだわり、リップの色に目が行くよう、顔の下半分に光が入るように移動してもらって撮りました。露出はマニュアル。感覚でマニュアル露出の設定はできるものの、撮影画像を確認する手間がなくなるぶんミラーレスは楽ですね。マニュアルで撮る人は少ないかもしれないですが、どんな意図を持って設定しているかを理解するのは大切なことですし、ミラーレスであればそれも掴みやすいと思います。

ポートレート×Z 6|下園啓祐
Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
シャッタースピード 1/1000秒 絞り値 f/1.8 焦点距離 50mm ISO 50

撮影の時点でモノクロにして撮影しています。主役以外に目立つ物や色があったときに、目立たなくするという狙いでモノクロ化することがあります。この写真では光の射し込みとガラスに反射した女性の姿を際立たせたいという狙いがあったのでモノクロにしています。カラーのままだと、木の茶色、リップの赤、植物の緑などが目に飛び込んできたと思います。

ポートレート×Z 6|下園啓祐
Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
シャッタースピード 1/800秒 絞り値 f/1.8 焦点距離 50mm ISO 50

温かい光に包まれて、気持ち良さそうにしているような雰囲気を出したいと思いました。カメラを気にせずにボケッとしていていいよって。そんな感じで撮りました。シャドウ部も潰れていませんし、明るいカーテンも白飛びしていません。ダイナミックレンジの広さはデジタルカメラでは重要ですが、これまでのどのカメラよりも広く感じました。

ポートレート×Z 6|下園啓祐
Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
シャッタースピード 1/40秒 絞り値 f/4 焦点距離 50mm ISO 50

僕はシンプルな世界観が好きです。でも、その場を活かすようにはしていて、空間に手は加えずにフレーミングでいらないものを省いていき、統一感のある世界観を作るようにしています。この写真は、冒頭でお話ししたスローシャッターでの撮影。これは本当に僕の感覚だけのことかもしれませんが、シャッタースピードを遅くすると、光りの拡散や吸収が起こり、どこか柔らかさのある写真になるという感覚があるんです。撮影データだけを見ると「なんで、低感度で手ブレの危険性がある露出で撮っているんだろう、こいつ写真知らないな?」と思われそうですが(笑)、これは意図的。お嫁さんに限らず女性はアップで撮られるのが好きではない方が多いと思いますから、レタッチ以前に出来る限り肌を滑らかに撮ってあげたいという思いがあります。最初はソファの上で飛び跳ねてもらったりしてブレを出そうとしたのですが、あまりにも手ブレ補正が強力なためほとんどブレず、それならスローシャッターで光を拡散させようと思い立ちました。個人的には85mmレンズで1/15秒くらいまでは手持ちでいける気がしましたね。

ポートレート×Z 6|下園啓祐
Z 6 + NIKKOR Z 24-70mm f/4 S
シャッタースピード 1/50秒 絞り値 f/10 焦点距離 70mm ISO 50

続いてもスローシャッターで撮影しています。植物が前にあるため木漏れ日のようになり、腕に落ちる影が特徴的でした。この影を柔らかく見せたいと思ったので、F10まで絞り込みスローシャッターにしています。この写真だけNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを使っていますが、それは女性にグッと寄っているので望遠端を使うことで歪みをできるだけなくそうと思ったからです。できるだけ個人的なポートレートは中望遠レンズで撮りたいので、年内に発売予定のNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sが楽しみです。

ポートレート×Z 6|下園啓祐
Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
シャッタースピード 1/50秒 絞り値 f/6.3 焦点距離 50mm ISO 50

これもシャッタースピードは1/50秒。窓からの光がやさしく広がればいいなと思いながら撮影しました。まだ趣味で写真を撮っていたとき、街灯の下に停まっている車を長時間露光で撮影したりしていたんですね。30秒くらいシャッターを開けると車の艶感がすごく出るんです。そんな記憶があるので、シャッタースピードを遅くすると光の取り込まれ方が変わるという感覚があるのかもしれません。

ポートレート×Z 6|下園啓祐
Z 6 + NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
シャッタースピード 1/800秒 絞り値 f/1.8 焦点距離 50mm ISO 800

最後は順光の写真です。これはひとりのモデルのタイムリミットが近づいていたので、純粋にテンパってISO800にしてしまっていますね(笑)。白がほとんどの面積を占めていますが、ホワイトバランスはこの1枚に限らず色温度で設定しています。色温度を少しだけ高めに設定し、後から青や緑を少しだけ足して調整をするのが僕のセオリー。光の状態や写真の中の影の割合などで、だいたいの色温度は検討が付きます。

ポートレート×Z 6|下園啓祐

まだ手にしたばかりのため機能・操作性ともにZ 6の良さは引き出せていませんが、それでも驚くような性能の高さは随所に感じられました。特にピント精度の高さ。持っていきたいところにしっかりとピントが合わせられるというのは表現がより強くなると思います。そして白飛び、トーンジャンプ、カラーノイズなどが見受けられず、光を意識したポートレートにおいてZ 6はとても使いやすいと感じました。JPEG撮って出しを見据えて、「ピクチャーコントロール」や「Creative Picture Control」もかなり試しました。どの設定も使いやすく、光があまり良くなくてもそれを補ってくれるようなものばかり。撮影する場所と光を選ぶことがプロの技術のひとつだと思いますが、フィルター類があることでそれも無視できるような気がして、ちょっと脅威すら感じましたね。僕がもっと操作に慣れ、ホワイトバランスの特徴さえ捉えられるようになれば、完全にメインカメラになる存在です。

下園さんが使用したZシリーズ

Z 6
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有効画素数2450万画素とISO100-51200を両立したオールラウンドモデル。像面位相差AF画素を搭載した裏面照射型ニコンFXフォーマットCMOSセンサー、最新の画像処理エンジンEXPEED 6との連携により、解像感と効果的なノイズ抑制を併せ持つ高画質を実現。滑らかで美しい肌、光を的確に捉える豊かな階調など、ポートレートにおいても高い表現力を発揮する。約5段分の手ブレ補正、像面位相差AFとコントラストAFを組み合わせた新開発ハイブリッドAFによる高速・高精度なフォーカシング、高性能を誇るNIKKOR Zレンズなどによる圧巻の高画質が、主役と意図を引き立たせたポートレート撮影を可能にする。

Z 7

NIKKOR Zレンズの
真価を実感できる高画素モデル

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Z 6

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オールラウンドモデル

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